防火地域・準防火地域で耐火建築物にしなければならない基準は?
防火地域・準防火地域とは
防火地域・準防火地域とは、都市計画法に規定されている、都市計画に定めることのできる地域地区の一種です(都市計画法 第八条 五)。
その内容は、
防火地域又は準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域とする。
都市計画法 第九条
と規定されています。
耐火建築物とは
耐火建築物についての定義は、建築基準法 第二条 用語の定義 に規定されていますが、耐火構造 であること等が基準となっています。
耐火構造や準耐火構造、防火構造 についても同条に定義が記載されていますが、いずれも具体的には政令で定める技術的基準に定義されています。
建築物に関するルール
防火地域および準防火地域内の建築物に関するルールは 法第六十一条 に規定されています。
その具体的な内容は 建築基準法施行令 第百三十六条の二 にありますが、宅建試験において覚えておくべき内容は以下になります。
防火地域のルール
防火地域に建築物を建てる際は、原則として以下のルールがあります。
- 地階を含む階数が3以上 もしくは 延べ面積 100㎡超 の建築物は、耐火建築物にしなければならない
- それ以外の建築物は、耐火もしくは準耐火建築物にしなければならない
準防火地域のルール
準防火地域に建築物を建てる際は、原則として以下のルールがあります。
- 地階を除く階数が4以上 もしくは 延べ面積が 1,500㎡超 の建築物は、耐火建築物にしなければならない
- それ以外で、延べ面積が 500㎡超1,500㎡以下 の建築物は、耐火もしくは準耐火建築物にしなければならない
語呂合わせ
これらのルールをまとめて覚えるための語呂合わせは、以下になります。
【耐火建築物】
坊さん100人、巡視するイチゴ
【耐火もしくは準耐火建築物】
GO!イチゴ!
この語呂合わせは少し説明を補足します。
まず前提として、準防火地域より防火地域のほうが制限が厳しいというイメージを持ってください。
語呂合わせは、「坊さん100人、巡視するイチゴ」までが耐火建築物で、「GO!イチゴ!」が耐火もしくは準耐火建築物のルールです。
防火地域は「地階を含む階数が3以上」、準防火地域は「地階を除く階数が4以上」と微妙に定義の仕方が異なっています。
防火地域の方がより制限が厳しいので、地階を含む階数に対して基準を設けている、と覚えましょう。
「GO!イチゴ!」は準防火地域に関するルールしか表せていませんが、防火地域では「坊さん100人」以外の建築物すべてが原則として対象となるため、語呂合わせは不要です。
ここでもやはり、防火地域の方がより制限が厳しいためと解釈します。
隣地境界線に関して
防火地域・準防火地域に関連した法律の紹介です。
防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。
建築基準法 第六十三条
こちらもよく問題で問われることの多い内容なので、把握しておきましょう。